Vercel(Hobby)→AWS Amplify 移行して分かった両者の違い

2024/05/17
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はじめに

当ブログはVercelのHobbyプランで運用していましたが、このたびAWS Amplifyに移行しました。

この記事では、Vercel HobbyプランからAWS Amplifyに移行を決めた理由と、実際に移行したあとに分かった両者のプラットフォームの違いについてまとめました。

Vercel→AWS Amplify 移行理由

移行を検討するきっかけになったのは、このブログでAmazonアソシエイトをはじめたかったからです。

VercelのHobbyプランは商用利用不可のため、広告を貼ったりアフィリエイトを行ったりするにはProプランにする必要があります。

Proプランへのアップグレードも考えたのですが、既に使用した経験のあるAWS Amplifyの方が運用コストを抑えることができそうだったので、この機会にプラットフォームごと変えることにしました。

コスト比較

Vercel

VercelにはHobby・Pro・Enterpriseの3つのプランがあります。

3つのプランの違いを簡単にまとめました。

HobbyProEnterprise
用途非商用の個人利用向け商用またはチーム向けさらなるセキュリティ、サポート、パフォーマンスが必要なチーム向け
金額無料1ユーザあたり$20/月
※ただし制限を超えた分は従量課金
Custom
商用利用
チーム利用

HobbyからProプランに変更する場合は、最低でも$20/月のコストがかかります。

Proプランにもデータ転送量やビルドの実行時間の制限があり制限を超えた分は従量課金になりますが、かなり余裕を持った制限となっています。

AWS Amplify

AWS Amplifyは従量課金となります。

ただし、最初の1年間は制限内の利用であれば無料となっています。

従量課金の詳細は公式ドキュメントに記載されていますが、長くなるのでここでは割愛します。

料金の例として、以下のような記載があります。

  • 300人のアクティブユーザー/日、600ビルド/月
    8.08USD/月
  • 10,000人のアクティブユーザー/日、6ビルド/月
    65.98 USD/月

(詳細な計算式はドキュメントで確認できます。)

ちなみにこのブログの場合は以下の通りです。

  • 100人のアクティブユーザ/日、ビルド10回/月
    約3.00 USD/月

主に、ビルドとデプロイの時間とデータ転送(OUT)にお金がかかるため、月のビルド回数とアクティブユーザー数が分かれば概算を計算できます。

以上から分かるように、アクセス数がそこまで多くないWebサイトでは従量課金であるAWS Amplifyの方がコストを抑えることができます

VercelとAWS Amplifyの違い

当ブログはNuxt.jsで運用していて、単純にサイトを公開するだけであればVercelでもAmplifyでも問題なく可能です。

実際に移行をしてみて、使い勝手に関わる部分で機能の違いがあったのでまとめます
また、簡易的なアプリケーションを想定しているため、Serverless Functionsやキャッシュ等には触れません。

Vercel

Vercel Toolbar

Vercelの便利な機能としてVercel Toolbarがあります。

Vercel Toolbarは、デプロイ環境に表示される開発支援ツールです。
コメントやブランチ切り替えといった機能を、画面下部のツールから簡単に行うことができます。

Vercel Toolbarから打ち込んだコメント

Vercel Toolbarから打ち込んだコメント

PRへの表示

VercelはGitHubと連携する設定をするだけでGitHubのリポジトリにVercel botが設定されます。
GitHubにプッシュするとPRのコメントでVercel botが表示されます。

Vercel bot

Vercel bot

ここではビルドの進捗やPrevier環境のURL等が表示されるようになっており、マージ後の作業にすぐに取り掛かることができます。

ログイン認証が付いている

Vercelのプレビュー環境はデフォルトでログイン認証がかかっています。

プレビュー環境はVercelのチーム内の人しか見ることはできず、逆にVercelにログイン済みであればパスワード不要でプレビュー環境を表示することができます。
(チーム外の人でも共有リンクによるアクセスの方法はあります。)

一方で、パスワードによる認証はProプラン以上、IPアドレスによる認証はEnterpriseプラン以上のみが使用可能です。

AWS Amplify

コストが低い

AWS Amplifyの利点小規模なサイトでは運用コストが低いことです。
上にも書きましたが、VercelのProプランの$20の代わりに、Amplifyでは従量課金の金額$3ほどなので大幅にコストカットできています。

Basic認証を設定できる

Amplifyのアクセスコントロールメニューでは、ブランチごとにBasic認証をかけることができます。
AWSのユーザがなくてもアクセスできるため、融通が効きました。

Vercelにも「パスワード保護」という機能がありますが、利用には月額150ドル追加費用がかかります。
(※詳細な認証方法は不明ですが、Basic認証とは違ってVercelのメンバーでないとログインできない仕様かもしれません。)

まとめ

この記事では、Vercel(Hobbyプラン) からAWS Amplifyに移行したときのコストや機能の違いを解説しました。

小規模なサイトであれば、Amplifyの方がコストを抑えられる一方で、Vercelの方がVercel botやVercel botといった便利な機能があることが分かりました。

必要に応じて使い分けるのが良さそうです。
Node環境をデプロイする際の、プラットフォーム選択の参考になれば幸いです。

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あっしゅからー

フリーランスでWebシステムエンジニアをやっています。

趣味ではDTMをしていて、オリジナル曲をニコニコ動画やYouTubeに投稿しています。

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