【無料】SynthV Studio Basic、ライト版・機能制限版とは
目次
はじめに
Synthesizer Vは、Dreamtonicsが開発する歌声合成ソフトウェアです。
Synthesizer Vは有料のソフトウェアですが、無料で利用できるエディタと歌声データベースも配布されています。
無料版でも多くの機能を使うことができるので、Synthesizer Vを試しに使ってみたい方や購入を検討されている方はぜひ使ってみてください。
入手方法
無料のエディタである「Studio Basic」、無料の歌声データベースどちらも、AHSかDreamtonicsのサイトからダウンロードできます。
AHSのダウンロードページ
Dreamtonicsのダウンロードページ
サイトよってダウンロード可能な無料の歌声データベースは異なるため、無料の歌声データベース一覧を参考にサイトを使い分けてみてください。
無料エディタ「Studio Basic」
Synthesizer VのエディタであるStudio Proが有料なのに対して、Studio Basicという無料のエディタも配布されています。
Studio BasicとStudio Proの違い
Studio BasicとStudio Proの違いは以下の通りです。(AHSより)
Synthesizer V Studio Basic | Synthesizer V Studio Pro | |
---|---|---|
価格 | 無料 | パッケージ版 ¥14,080(税込) ダウンロード版 ¥10,780(税込) |
プロジェクト 制限 | 3トラック | 無制限 |
同時レンダリング スレッド | 2コア | 無制限 |
追加機能 | ・自動ピッチ調整 (定型構成) | ・自動ピッチ調整 (精度変更可) ・ブレス成分の分離出力 ・Lua / Javascript スクリプティング ・トーンシフト |
VST/AU プラグイン | なし | あり |
多言語 歌唱対応 | なし | あり 対応言語: 日本語/英語/中国語/広東語/スペイン語 ※AI歌声DBのみ対応 ※歌声DBによって非対応の場合あり |
ボーカル スタイル | なし | あり ※AI歌声DBのみ対応 ※歌声DBによって非対応の場合があり |
AIリティク 対応 | なし | あり ※AI歌声DBのみ対応 ※歌声DBによって非対応の場合あり |
試用期限や時間の制限はなく、基本的な機能を使用することができます。
一方で、機能面では3トラックまでの制限やVSTプラグインがない、調声面では自動ピッチの調整ができない、ボーカルスタイルがないなどの制限もあります。
最初はStudio Basicで試して本格的な調声をしたくなったら、Studio Proを購入するのがオススメです。
無料の歌声データベース
Synthesizer Vは無料でダウンロードすることができる、ライト版と機能限定版の歌声データベースを数多く配布しています。
無料の歌声データベース一覧
現在(2024年10月)配布されているライト版・機能限定版の歌声データベースは以下の通りです。
DB名 | AI機能 | 種類 | AHSからDL可 | DreamtonicsからDL可 |
---|---|---|---|---|
宮舞モカ | ⭕ | ライト版 | ⭕ | - |
フリモメン | ⭕ | ライト版 | ⭕ | - |
Eri | ⭕ | 機能限定版 | ⭕ | ⭕ |
桜乃そら | ⭕ | ライト版 | ⭕ | - |
重音テト | ⭕ | ライト版 | ⭕ | ⭕ |
Ritchy | ⭕ | 機能限定版 | ⭕ | ⭕ |
D-Lin | ⭕ | 機能限定版 | ⭕ | ⭕ |
花隈千冬 | ⭕ | ライト版 | ⭕ | ⭕ |
夏色花梨 | ⭕ | ライト版 | ⭕ | ⭕ |
京町セイカ | ⭕ | ライト版 | ⭕ | ⭕ |
ついなちゃん | ⭕ | ライト版 | ⭕ | ⭕ |
弦巻マキ AI | ⭕ | ライト版 | ⭕ | - |
小春六花 | ⭕ | ライト版 | ⭕ | ⭕ |
Saki | ⭕ | ライト版 | ⭕ | ⭕ |
琴葉 茜・葵 | - | ライト版 | ⭕ | ⭕ |
AiKO | - | ライト版 | - | ⭕ |
ANRI | ⭕ | ライト版 | - | ⭕ |
ASTERIAN | ⭕ | ライト版 | - | ⭕ |
Chiyu | - | ライト版 | - | ⭕ |
Genbu | - | ライト版 | - | ⭕ |
Eleanor Forte | ⭕ | ライト版 | - | ⭕ |
AI機能が⭕になっていないものは、AIによるピッチ・声色補正がかかりません。
Synthesizer Vの歌唱は、AIによる補正が肝となっています。
人間味のある自然な歌声が欲しい方は、AI機能がある歌声データベースを選択しましょう。
ライト版と機能限定版の違い
無料版の歌声データベースにはライト版と機能限定版の2種類が存在します。
ライト版
ライト版の機能制限は、以下の表で確認することができます。(AHSより)
※AI版のみを記載
AIライト版 | AI通常版 | |
---|---|---|
価格 | 無料 | ・パッケージ版 ¥10,780(税込) ・ダウンロード版 ¥9,680(税込) |
多言語 歌唱対応 | なし | あり 対応言語 日本語/英語/中国語/広東語/スペイン語 ※Synthesizer V Studio Proが必要 ※歌声DBによって非対応の場合あり |
AIリティク 対応 | なし | あり ※Synthesizer V Studio Proが必要 ※歌声DBによって非対応の場合あり |
音声品質 | 中 | 最高品質 |
レンダリングモード | 速度優先 | 速度優先 品質優先 |
必須 記事事項 | ライト版の使用を明記する必要あり | なし |
ライト版ではレンダリングモードは「速度優先」のみが選択できます。
有料の歌声データベースで使用できる「デフォルト」や「品質優先」が選択できないため、生成する歌声の音質が若干悪くなります。
また、ライト版として配布されている音源の多くはバージョンのアップデートがされないため、最新版と比べるとピッチが安定していないように感じました。
ライト版を試聴する
試しにSakiを製品版とライト版で出力してみました。
製品版はクリアな音質でピッチも自然であるのに対して、ライト版は常にノイズが入っているような音質でピッチも少し違和感があります。
ライト版だけだとSynthesizer Vの歌声の良さを発揮しきれていないため、こちらで歌声の評価をするのは難しいと感じました。
機能限定版
機能限定版は以下のような制限があります。
- トラック数:1トラックまで
- 出力時間:45秒以下
出力時間に45秒の制限があるため、一曲を通して歌わせるのは難しいです。
一方で、ライト版とは異なりレンダリングモードを自由に選択できるため、高音質な歌声を出力することができます。
ピッチも製品版と同等に自然な出力になっているように感じました。
Synthesizer Vの歌声の良さを体感したい場合は、機能限定版がオススメです。
ただし、機能限定版を配布している歌声データベースをは限られるため、上記の一覧で確認してみてください。
利用規約
Synthesizer Vの無料歌声データベースを使用する場合は以下の規約に従う必要があります。
商用利用をいただくことができません。
個人に限り制作した作品の発表が許諾されています。
製作した作品を個人が発表する場合は、"Synthesizer V 〇〇 機能限定版を使用"と必ず明記してください。
商用利用不可、使用データベース表記の強制といった規約があるため、必ず守るようにしましょう。
上記以外にもダウンロード時に表示される利用上の注意やライセンスファイルがあるので、使用前に確認してください
補足
有料のエディタだけを購入、または、有料の歌声データベースのみを購入して使う方法もあります。
有料のエディタであるStudio Proを購入すると、Maiという歌声データベースを無料でダウンロードすることができます。
Maiの歌声データベースは有償版と同等のため、制限なく使用することができます。
歌声は以下の動画で確認することができます。
逆に有料の歌声データベースだけを購入した場合、無料のStudio Basicエディタで歌わせることができます。
Studio Basicの制限が気にならないようであれば、Studio Proを購入する必要はありません。
ただし、Synthesizer VにはStudio Proと好きな歌声データベースをお得に購入できるスターターパックがあります。
各々購入するよりも安いので、本格的にはじめるならスターターパックの購入をオススメします。
Synthesizer Vをお得に購入する方法は以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、Basicエディタや歌声データベースのライト版や機能限定版の機能や入手方法についてまとめました。
Synthesizer Vは無料版も充実しているため、無料のエディタと歌声データベースでも十分にSynthesizer Vの魅力を体感することができます。
試しに使ってみたい人や購入前に試したい人は、ぜひダウンロードしてみてください。