トラックボール比較 SlimBlade Pro vs MX ERGO
![サムネイル](https://d2s4ypph6g1t06.cloudfront.net/img/pc/gadget_trackball-comparison_thumbnail.avif)
目次
はじめに
トラックボールはボールの大きさと操作する指の違いで分類をすると、2種類のタイプがあります。
ひとつは、数本の指で操作する大玉のボール、もうひとつは親指だけで操作する小玉のボールです。
価格.comの人気売れ筋ランキングを見ても分かる通り、どちらの種類のトラックボールも売れており、購入する際に迷う方が多いのではないでしょうか。
今回はハイエンドの価格帯の大玉トラックボールの人気機種「Kensington SlimBlade Pro」と小玉トラックボールの人気機種「Logicool MX ERGO」を徹底比較します。
どちらのトラックボールを購入するかを決める際に、最も重要なポイントを先にまとめると以下のようになります。
「Kensington SlimBlade Pro」 と「Logicool MX ERGO」を購入するときのポイント
- 充電端子をUSB-Cにしたい場合はSlimBlade Pro(MX ERGOはmicro-USB)
- チルト機能(横スクロール)が欲しい場合はMX ERGO
- Logicool Flowを使用したい場合はMX ERGO
では、詳細をみていきます。
スペック比較
SlimBlade ProとMX ERGOのスペックは以下のようになります。
項目 | SlimBlade Pro | MX ERGO |
---|---|---|
外観 | ![]() Kensington SlimBlade Pro | ![]() Logicool MX ERGO |
メーカー | ケンジントン | ロジクール |
希望小売価格 | 18,300円 | 16,830円 |
ボタン数 | 4個 同時押しを含めると8個 | 6個 左・中央・右クリック、サイドボタン3個 |
通信方法 | Bluetooth 2.4GHzワイヤレス接続 有線接続 | Bluetooth 2.4GHzワイヤレス接続 |
充電端子 | USB-C | micro-USB |
チルト機能 (横スクロール) | なし | あり |
重量 | 285g | 259g (金属プレート含む) |
ボタンカスタマイズ | 可能 | 可能 |
接続数 | 3 (各接続方式につき1) | 2 |
充電の持ち | 4ヶ月 | 4ヶ月 |
スペックが異なる箇所にはマーカーを引いています。
具体的にどのような違いがあるのかをみていきます。
詳細比較
ボタン数
SlimBlade ProとMX ERGOのボタン数と機能の割り当ての仕様には大きな違いがあります。
SlimBlade Pro
![SlimBlade Pro ボタン](https://d2s4ypph6g1t06.cloudfront.net/img/pc/gadget_trackball-comparison_slimblade-pro.avif)
SlimBlade Pro ボタン
SlimBlade Proはボタンが4個あり、各ボタンに自由に機能を割り当てることができます。
左クリック・右クリックの概念はないため、好みの場所のボタンに任意の機能を割り当てることができます。
さらに隣接するボタンの同時押しにも機能を割り当てることができるため、通常押しと合わせると8つの機能を割り当てることができます。
ただ、この同時押しには癖があり、たまに同時押し判定されないことがありました。
また、同時押しの判定をするためか、ボタンをクリックしてから機能するまでに若干のラグがあるように感じます。
クリック動作では気になりませんが、文字をドラッグアンドドロップで選択する際に思い通りのところまで選択できないことがありました。
同時押しに機能を割り当てない状態ではラグが発生しなかったため、私の場合は同時押しに機能を割り当てないで使用しています…
MX ERGO
MX ERGOは左・右クリックとカスタマイズ可能な中央ボタン、サイドボタンが3個の計6個のボタンがあります。
サイドボタンは左クリックの左側に2個、ボールの近くに1つあります。
![MX ERGO サイドボタン](https://d2s4ypph6g1t06.cloudfront.net/img/pc/gadget_trackball-comparison_mx-ergo-button.avif)
MX ERGO サイドボタン
ちなみにホイール下にあるボタンは接続先の変更専用のボタンのため機能を割り当てることはできません。
またMX ERGOにはジェスチャーによる機能の割り当てを行うことができます。
ジェスチャーとは、ボタンの長押しをしながらマウスを上下左右に移動した際に、上下左右の移動それぞれに対して機能を割り当てることができる機能です。
例えば、サイドボタンにメディアコントロールを割り当てるとサイドボタンを押しながら左右移動で曲の戻しや送り、上下移動で音量操作をすることができます。
ジェスチャーはプリセットから選ぶこともできますし、ユーザーがカスタムして上下左右に対して好きな機能を割り当てることもできます。
ボタン数まとめ
SlimBlade Proの同時押しに不満を感じる場合は4ボタンにしか機能を割り当てることができないため、ちょっと物足りなさを感じます。
MX ERGOは6ボタンあり、ジェスチャー機能の完成度も高く非常に多くの機能を割り当てることができます。
4つよりも多くの機能を割り当てをしたい場合はMX ERGOの方が使い勝手が良いと言えます。
充電端子
SlimBlade Proの充電端子はUSB-Cですが、MX ERGOのUSB端子はmicro-USBです。
MX ERGOの端子がmicro-USBなのは、最大の欠点と言ってもいいのではないでしょうか。
最近のガジェットの充電端子はUSB-Cであることが多く、micro-USBのガジェットはかなり減ってきています。
他のガジェットをUSB-Cに揃えている場合がMX ERGOを購入した場合、MX ERGOのためだけにmicro-USBのケーブルを持っておく必要があります。
どうしてもmicro-USBを使いたくない場合はMX ERGOの廉価版であるM575の購入を検討するのもありです。
M575は電池で動作するタイプのため充電端子はありません。
廉価版のためボタン数はMX ERGOより少なく、複数デバイスへの接続ができない欠点はあるので、仕様を比べて検討するといいでしょう。
MX ERGO自体が2017年発売とだいぶ年月が経っているので、充電端子がUSB-Cになった新型が早く出て欲しいものです。
充電端子についてはUSB-CであるSlimBlade Proが良いと言えます。
チルト機能
MX ERGOのみチルト機能があります。
チルト機能とはホイールを左右に動かすことによって左右にスクロールができる機能です。
![MX ERGO チルト機能](https://d2s4ypph6g1t06.cloudfront.net/img/pc/gadget_trackball-comparison_mxergo-tilt.avif)
MX ERGO チルト機能
チルト機能のないマウスを使って左右スクロールをする場合は、スクロールバーを掴んで動かすかShiftキーを押しながらホイール動作をする必要があります。
チルト機能のないマウスを使っていると必要性を感じられないかもしれないですが、一度チルト機能のあるマウスを使うとスクロールバーをドラッグアンドドロップをする動作がいかに面倒だったかが分かります。
特にDAWや動画編集ソフトのようなタイムラインがあるソフトは横スクロールをする機会が多いため、便利さを感じる場面が多いです。
横スクロールを使用する場面が多い方はMX ERGOを使用するのがいいでしょう。
掃除のしやすさ
トラックボールはボールの下の部分に埃が溜まりやすく、月に1回程度はボールを外して掃除をする必要があります。
SlimBlade Proはボールをそのまま持ち上げることができます。
![SlimBlade Pro 簡単にボールが取れる](https://d2s4ypph6g1t06.cloudfront.net/img/pc/gadget_trackball-comparison_slimblade-ball.avif)
SlimBlade Pro 簡単にボールが取れる
一方でMX ERGOは背面の板を外した後に穴に棒を差し込んでボールを押し出すことによってボールを取り出すことができます。
![MX ERGO 裏側から押してボールを外す](https://d2s4ypph6g1t06.cloudfront.net/img/pc/gadget_trackball-comparison_mxergo-ball.avif)
MX ERGO 裏側から押してボールを外す
ボールの取り外しに慣れると時間はかかりませんが、ペン等の細い棒状のものがないとボールを外せないのが少し不便です。
ボールの取り外しやすさを考えると、SlimBlade Proの方が便利です。
Logicool FLOWについて
MX ERGOはLogicool Flowという機能が使えます。
Logicool Flowは以下のような機能です。
Flow対応マウスとキーボードを使って複数のパソコンをコントロール – カーソルを画面の端に移動させるだけで2台のパソコン間で作業ができます。
Flow対応キーボードはFlow対応マウスに従い、パソコン間を移動します。つまり、1つのスムーズなワークフローで、複数デバイス上でタイピングができます。
Logicoolのキーボードを使用していて、複数のデバイスに接続している場合はMX ERGOを使用すると良いでしょう。
ボールの大きさについて
![←SlimBlade Proのボール、MX ERGOのボール→](https://d2s4ypph6g1t06.cloudfront.net/img/pc/gadget_trackball-comparison_ball.avif)
←SlimBlade Proのボール、MX ERGOのボール→
ボールの大きさよる使いやすさの違いは個人差が大きい印象です。
レビュー等を確認してみても大玉の方が細かい動作がしやすい、小玉の方が動かしやすい等、様々な意見が書かれています。
どちらも使ってみた私の感想としては、SlimBlade Proは複数の指でボールを動かす分、疲労が分散されるような印象を受けました。
逆にMX ERGOは親指だけで操作する分、長時間使用していると親指の付け根の部分に違和感を感じることがありました。
また、細かい操作についてはSlimBlade Proの方が複数の指で操作する分ちょっとだけ操作しやすいように感じます。
一方で、玉が大きいとその分の重量があり、玉の動き出しはじめに違和感があります。
トータルで言うと操作性はSlimBlade ProもMX ERGOも同じくらいに感じました。
まとめ
はじめにも書きましたが「Kensington SlimBlade Pro」 と「Logicool MX ERGO」とで購入を迷った際に特に注目したいポイントは以下の通りです。
「Kensington SlimBlade Pro」 と「Logicool MX ERGO」を購入するときのポイント
- 充電端子をUSB-Cにしたい場合はSlimBlade Pro(MX ERGOはmicro-USB)
- チルト機能(横スクロール)が欲しい場合はMX ERGO
- Logicool Flowを使用したい場合はMX ERGO
ボタンへの機能割り当ての仕様やボールの大きさによる使いやすさの違いは個人差があるため、用途とスペックを見て判断したり、実際に電気屋等で触ってみて確認するのがオススメです。
トラックボールを購入する際の参考になれば幸いです。