トラックボール比較 SlimBlade Pro vs MX ERGO S
目次
2024年9月24日にMX ERGOの新型である、MX ERGO Sが発売されます。
新型の発売に伴い、記事の内容を「MX ERGO」から「MX ERGO S」に変更しました。
はじめに
トラックボールはボールの大きさと操作する指の違いで分類をすると、2種類のタイプがあります。
ひとつは、数本の指で操作する大玉のボール、もうひとつは親指だけで操作する小玉のボールです。
価格.comの人気売れ筋ランキングを見ても分かる通り、どちらの種類のトラックボールも売れており、購入する際に迷う方が多いのではないでしょうか。
今回はハイエンドの価格帯の大玉トラックボールの人気機種「Kensington SlimBlade Pro」と小玉トラックボールの人気機種「Logicool MX ERGO S」を徹底比較します。
どちらのトラックボールを購入するかを決める際に、最も重要なポイントを先にまとめると以下のようになります。
「Kensington SlimBlade Pro」 と「Logicool MX ERGO S」を購入するときのポイント
- トラックボールを複数の指で操作したい場合はSlimBlade Pro、親指だけで操作したい場合はMX ERGO S
- チルト機能(横スクロール)が欲しい場合はMX ERGO S
- Logicool Flowを使用したい場合はMX ERGO S
詳細をみていきます。
スペック比較
SlimBlade ProとMX ERGO Sのスペックは以下のようになります。
項目 | SlimBlade Pro | MX ERGO S |
---|---|---|
外観 | Kensington SlimBlade Pro | Logicool MX ERGO S |
メーカー | ケンジントン | ロジクール |
価格 | 17,500円(販売価格) | 19,580円(直販価格) |
ボタン数 | 4個 (同時押しを含めると8個) | 6個 (左・中央・右クリック、サイドボタン3個) |
通信方法 | Bluetooth 2.4GHzワイヤレス接続 有線接続 | Bluetooth 2.4GHzワイヤレス接続 |
充電端子 | USB Type-C | USB Type-C |
チルト機能 (横スクロール) | なし | あり |
重量 | 285g | 259g |
ボタンカスタマイズ | 可能 | 可能 |
接続数 | 3 (各接続方式につき1) | 2 |
充電の持ち | 4ヶ月 | 4ヶ月 |
その他 | 静音仕様 |
充電端子について
MX ERGOの旧型ではmicro-USBが採用されていましたが、新型であるMX ERGO SではType-Cに変更されました。
スペックが異なる箇所に、マーカーを引きました。
具体的にどのような違いがあるのかをみていきます。
詳細比較
ボタン数
SlimBlade ProとMX ERGO Sのボタン数と機能の割り当ての仕様には大きな違いがあります。
SlimBlade Pro
SlimBlade Pro ボタン
SlimBlade Proはボタンが4個あり、各ボタンに自由に機能を割り当てることができます。
左クリック・右クリックの概念はないため、好みの場所のボタンに任意の機能を割り当てることができます。
さらに隣接するボタンの同時押しにも機能を割り当てることができるため、通常押しと合わせると8つの機能を割り当てることができます。
ただ、この同時押しには癖があり、たまに同時押し判定されないことがありました。
また、同時押しの判定をするためか、ボタンをクリックしてから機能するまでに若干のラグがあるように感じます。
クリック動作では気になりませんが、文字をドラッグアンドドロップで選択する際に思い通りのところまで選択できないことがありました。
同時押しに機能を割り当てない状態ではラグが発生しなかったため、私の場合は同時押しに機能を割り当てないで使用しています…
MX ERGO S
MX ERGO Sは左・右クリックとカスタマイズ可能な中央ボタン、サイドボタンが3個の計6個のボタンがあります。
サイドボタンは左クリックの左側に2個、ボールの近くに1つあります。
MX ERGO S サイドボタン
ちなみにホイール下にあるボタンは接続先の変更専用のボタンのため機能を割り当てることはできません。
またMX ERGO Sにはジェスチャーによる機能の割り当てを行うことができます。
ジェスチャーとは、ボタンの長押しをしながらマウスを上下左右に移動した際に、上下左右の移動それぞれに対して機能を割り当てることができる機能です。
例えば、サイドボタンにメディアコントロールを割り当てるとサイドボタンを押しながら左右移動で曲の戻しや送り、上下移動で音量操作をすることができます。
ジェスチャーはプリセットから選ぶこともできますし、ユーザーがカスタムして上下左右に対して好きな機能を割り当てることもできます。
ボタン数まとめ
SlimBlade Proの同時押しに不満を感じる場合は4ボタンにしか機能を割り当てることができないため、ちょっと物足りなさを感じます。
MX ERGO Sは6ボタンあり、ジェスチャー機能の完成度も高く非常に多くの機能を割り当てることができます。
4つよりも多くの機能を割り当てをしたい場合はMX ERGO Sの方が使い勝手が良いと言えます。
チルト機能
MX ERGO Sのみチルト機能があります。
チルト機能とはホイールを左右に動かすことによって左右にスクロールができる機能です。
MX ERGO S チルト機能
チルト機能のないマウスを使って左右スクロールをする場合は、スクロールバーを掴んで動かすかShiftキーを押しながらホイール動作をする必要があります。
チルト機能のないマウスを使っていると必要性を感じられないかもしれないですが、一度チルト機能のあるマウスを使うとスクロールバーをドラッグアンドドロップをする動作がいかに面倒だったかが分かります。
特にDAWや動画編集ソフトのようなタイムラインがあるソフトは横スクロールをする機会が多いため、便利さを感じる場面が多いです。
横スクロールを使用する場面が多い方はMX ERGO Sを使用するのがいいでしょう。
掃除のしやすさ
トラックボールはボールの下の部分に埃が溜まりやすく、月に1回程度はボールを外して掃除をする必要があります。
SlimBlade Proはボールをそのまま持ち上げることができます。
SlimBlade Pro 簡単にボールが取れる
一方でMX ERGO Sは背面の板を外した後に穴に棒を差し込んでボールを押し出すことによってボールを取り出すことができます。
MX ERGO S 裏側から押してボールを外す
ボールの取り外しに慣れると時間はかかりませんが、ペン等の細い棒状のものがないとボールを外せないのが少し不便です。
ボールの取り外しやすさを考えると、SlimBlade Proの方が便利です。
Logicool FLOWについて
MX ERGO SはLogicool Flowという機能が使えます。
Logicool Flowは以下のような機能です。
Flow対応マウスとキーボードを使って複数のパソコンをコントロール – カーソルを画面の端に移動させるだけで2台のパソコン間で作業ができます。
Flow対応キーボードはFlow対応マウスに従い、パソコン間を移動します。つまり、1つのスムーズなワークフローで、複数デバイス上でタイピングができます。
Logicoolのキーボードを使用していて、複数のデバイスに接続している場合はMX ERGO Sを使用すると良いでしょう。
ボールの大きさについて
←SlimBlade Proのボール、MX ERGO Sのボール→
ボールの大きさよる使いやすさの違いは個人差が大きい印象です。
レビュー等を確認してみても大玉の方が細かい動作がしやすい、小玉の方が動かしやすい等、様々な意見が書かれています。
どちらも使ってみた私の感想としては、SlimBlade Proは複数の指でボールを動かす分、疲労が分散されるような印象を受けました。
逆にMX ERGO Sは親指だけで操作する分、長時間使用していると親指の付け根の部分に違和感を感じることがありました。
また、細かい操作についてはSlimBlade Proの方が複数の指で操作する分ちょっとだけ操作しやすいように感じます。
一方で、玉が大きいとその分の重量があり、玉の動き出しはじめに違和感があります。
トータルで言うと、操作性はSlimBlade ProもMX ERGO Sも同じくらいに感じました。
静音仕様について
MX ERGO Sは静音仕様となっており、旧型と比較するとクリック音が80%削減されています。
一方で、SlimBlade Proは静音化はされていないため、普通のマウス程度のクリック音がします。
職場など周りの環境に配慮する必要がある場所で使用したい場合は、静音仕様であるMX ERGO Sがオススメです。
まとめ
「Kensington SlimBlade Pro」 と「Logicool MX ERGO S」とで購入を迷った際に、注目したいポイントは以下の通りです。
「Kensington SlimBlade Pro」 と「Logicool MX ERGO S」を購入するときのポイント
- トラックボールを複数の指で操作したい場合はSlimBlade Pro、親指だけで操作したい場合はMX ERGO S
- チルト機能(横スクロール)が欲しい場合はMX ERGO S
- Logicool Flowを使用したい場合はMX ERGO S
ボタンへの機能割り当ての仕様やボールの大きさによる使いやすさの違いには、個人差があります。
用途とスペックを見て判断したり、実際に電気屋等で触ってみたりするのもオススメです。
参考になれば幸いです。