Synthesizer V日本語ラップ対応!詳細と使い方を解説
目次
2023/10/26、Synthesizer V Studio のバージョン 1.10.0 にて、日本語ラップ機能が搭載されました。
本日、Synthesizer V AI歌声データベースのアップデータを公開いたします。
— Dreamtonics 公式 (@dreamtonics_jp) October 26, 2023
今回のアップデートでは、日本語でのラップに対応できるようになりました。 pic.twitter.com/pr3eyRLcrB
この記事では、ラップ機能について詳しく解説します。
ラップ機能とは
Synthesizer V のラップ機能について、公式では以下のように説明されています。
ピッチの自動調整に、新たに「ラップ」モードが搭載されました。アップデート後に、パラメータパネルにラップのインターフェースが追加されます。
ラップモードに切り替えることで、ラップのイントネーションを正確かつ簡単にコントロールすることが可能です。
「ラップ」モードの導入により、AI リテイク、ボーカルスタイル、多言語歌声合成といった既存の機能と組み合わせて、ラップボーカルのカスタマイズができるようになりました。
要約すると、ラップのような抑揚のあるピッチを自動生成できるようになり、ラップのイントーネーションのコントロールも簡単にできるようになりました。
ラップ機能を使用した歌声は、以下の公式デモ曲で確認することができます。
ラップ独特のピッチの遷移が生成されていることが確認できます。
音声合成ソフトでラップを表現しようとすると、ピッチを 1 音ずつ設定する必要があり手間がかかっていました。
それが自動でピッチを付与できるようになるため、簡単にラップを歌わせることが可能になります。
ラップ機能の対応ライブラリ
ラップ機能は、基本的に全ての歌声ライブラリで使用可能です。
ただし、TOKYO6 の小春六花 AI,夏色花梨 AI, 花隈千冬 AIは未対応で、次回アップデートでの対応を予定しているとのことです。
本日Synthesizer V AI ライブラリの日本語ラップ対応のアップデートが行われましたが弊社キャラクターライブラリ(小春六花、夏色花梨、花隈千冬)については、次回アップデートでの対応を予定しております。#SynthesizerV #小春六花 #夏色花梨 #花隈千冬 https://t.co/lNpJVx0dc3
— TOKYO6 Information (@tokyo6info) October 26, 2023
ラップ機能の使い方
ラップ機能は、ノートプロパティのピッチモードをラップにすることで使用できる機能です。
ノートプロパティ ピッチモードにラップ追加
ノートをラップモードにするとラップ用のピッチが生成されます。
ピッチモードによるピッチの違い(左:歌唱モード、右:ラップモード)
歌唱モードとラップモードで生成される音程が異なることが確認できます。
ピッチモードはラップとなるため、歌唱モードやマニュアルモードにあるプロパティは設定できなくなるため注意が必要です。
ただし、歌声にパネルにあるデフォルト - 歌唱モードにある、ビブラートの強度とアタック・リリースの自動調整のプロパティはラップのノートにも反映されるようです。
ラップのパラメータ
ノートのピッチモードをラップにすると、以下の 2 つのパラメータを設定することができます。
名前 | 説明 |
---|---|
イントネーション | 音程の変化 |
トーン | 基準となる音程 |
また、パラメータパネルでラップイントネーションを開くと、設定したパラメータが矢印で表示されます。
矢印の線の部分を移動するとトーン、矢印の終端部分を移動するとイントネーションの値を変更することができます。
イントネーション
イントネーションでは、ノートの語尾に向けての音程の変化を設定できます。
イントネーションによるピッチの変化(左:-5.00、右:+0.500)
トーン
トーンでは、基準となる音程を設定できます。
トーンによるピッチの変化(左:-1.000、右:+1.000)
基準となる音程はノートを配置する音程でも設定できるため、トーンは細かい音程を設定するのに使うのがオススメです。
まとめ
この記事では、Synthesizer V Studio のラップ機能の詳細と使い方について解説しました。
参考になれば幸いです。